永遠の華〜last eternal〜




『…………』






思わず面食らってしまった。


だってあの俺様で、意地悪な香が私の好きな飲み物を出すなんて……!





前に何回かここに来て飲み物を頼んだ時なんか、

「お前に出すモンはねぇ」


とか言いやがったのよ!?




ある時は、飲みかけを渡してきやがったんだから!




その香が、その香が……!



天地の前触れ!?


それとも、何か入ってるんじゃないの!?



怪しい視線で見つめる私に気づいた香が、
眉間にシワを寄せて私を見た。





「なんだよ」



『……いえ、別に』






返答次第では、今にもグラスを下げられそうな雰囲気だったので、
私は大人しく食い下がる。


うん、賢明な判断だ。

< 88 / 170 >

この作品をシェア

pagetop