永遠の華〜last eternal〜


「元気なゆかりちゃんが一番だね!
お祭りの時から少し元気なさそうだったから安心した〜」





『…………』




グラスを掴もうとした手が、空を切る。


美香の言葉に、不覚にも動揺してしまった。





それに香たちの微かな表情の変化を
私は見てしまった。




……この子は!





「……美香」




「……っあ。」





事情を知る茉莉が、すかさず美香を呼ぶ。

それに気づいた美香が、慌てて手を口を抑えた。



……いまさら遅いっつーの。




「おい、女子高生―――」




「香さん、ごめんなさい。私たち用事あるから、これで帰りますね」





口を開く香を遮るように、茉莉が言った。


何かを言い出そうにしている香だか、
茉莉の笑顔に黙って口を閉じる姿が見えた。



……茉莉、怖い。




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