永遠の華〜last eternal〜


「どいつもこいつも、ゆかりゆかりかよ」




「お互い様じゃん」





無言。
罰が悪そうに顔を歪めながら、タバコを消しグラスを持つ。


カラン、と氷が揺れた。



「……香の気持ちも分からなくはないけどさ」







視線を落とす俺に対して、香は何か考えているようだった。




ゆかりは大人だ。

17歳のわりには大人びた考えを持っているし、
しっかりもしている。




それでも香を不安にさせるのは、
昔のことがあるからなのだろう。



俺は以前、ゆかりが言っていたことを思い出した。





―――怖い。

ゆかりは確かにそう言っていた。


人を好きになることが怖いと言うゆかり。




……変化する自分に、恐怖を抱いていた。



英二と付き合ってから思い知らされた……恐怖。
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