ツン×ツン オカルト同好会【MENS企画】
3話 犠牲にして
翌日の夕方、私達は満員電車の中にいた。

寄り添う私達は、一見恋人同士に見える。

自ら私達は囮になったんだけど…。

嫌な予感が…。

そして的中した…。

「来た…。」

護君が見る方向をみるが、リーマンしか目に入らない。

もちろん、気配は感じるんだけど。

そう、私にはまだ霊を見る力がない。
感じるだけなんだ。

「怒ってる…。他の人にしている時は、俺を慰めようとしているようだったのに…。」

私にも分かる…。
背筋がゾッとする。

女の子の嫉妬ほど怖い物はない。

早速、除霊する事にする。

「横川の血に、力を与えてくれたまえ…ハァー!」

気を、霊を感じる方へ飛ばした。

しかし、おさまる気配はない。

「なんか、余計に怒ってるぞ。…陽ちゃん、もうやめよう…。ッ!」

護君の頬に切り傷ができた。
< 12 / 18 >

この作品をシェア

pagetop