それでも君が。
胸に電流を流されたみたいだった。
痛くて、痛くて……
千切れそうになった。
その場に立っているのも辛いくらい……
それなのに、蒼君はもっともっと、私の気持ちを落とすようなことを口にする。
「そんな中で、その好きな子とキスとか出来たら、……とか、ちょっと俺イタい奴だな」
フッと苦笑いを落とす蒼君。
私は、今にもこぼれてしまいそうな涙をグッとこらえ、言った。
「い……言えばいいじゃん……、好きな、子に……」
「何て?」
「す……好きって……」
「でも、相手の子が自分のこと好きでいてくれてるか分かんないしさ」
「蒼君に好きって言われたら……誰だって、嬉しいよ」
無理やり作った笑顔でそう言うと、彼もまた微笑み、「そっか」と返す。
「そ、蒼君……いい加減、離してよ」
「ん?」
「こんな、とこ……好きな子に見られたら……誤解されちゃうよ……」
「誤解? どんな?」
「だ、だから……私と蒼君の仲を疑われ……」
「誤解じゃないけど」
校庭からの皆の声が、やけに遠くから聞こえる気がした。
そんな中、蒼君の声は私の耳にハッキリ届いて……
混乱した。