それでも君が。
「そ、その子が突き飛ばしたんだよ……」
少女Bが、小さな声でそう言い、少女Aを指さす。
すると、それに便乗した少女Cもまた、言った。
「私達は……や、やりすぎじゃないって、言ったんだよっ……」
「あんた達っ……! 最低! 裏切んの!?」
少女Aは、他の2人の先輩に顔を向け、すごい形相でそう言い放つ。
仲間割れだなんて。
見ていて気持ちのいいものではない。
早く……
早く何とかして止めないと……!
息を吸い込んで、何とか声を出そうとした時だった。
「ふーん。お前がやったの」
蒼君の声に、重さと冷たさがプラスされていた。