それでも君が。




「そ、蒼君……?」





心臓が活発になり出す。



ヒュンヒュンと音を立ててる気がする、胸。



蒼君は私の呼びかけなんか無視して、その手を下にずらしていく。



膝小僧に辿り着くと、その手はピタリと動きを止めた。



蒼君の視線も、そこに注がれる。





「……蒼、く……」


「ちょっと、しみるかも」


「……えっ」





蒼君がこれからしようとしてるコトを自分なりに予想したのと、その感触が襲ってきたのは同時だった。



膝小僧が、熱くて柔らかいものに覆われる感触。



蒼君が、私の膝小僧に口付けていた。



舌で、傷を撫でるようにしてくる。




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