それでも君が。




「じゃあ、これで失礼します」


「……は、はい……」





2人がチョコンと頭を下げた時、彼らの背後から、低い声が飛んできた。





「……どちら様ですか?」





刑事さん達は、その声に身体の向きを変えた。



そのおかげで、声の犯人が見えた。



もっとも、声だけでも、その主は分かるのだけど。





「……蒼君……あの、こちらは刑事さんで……」


「刑事?」





眉を寄せ、その綺麗な顔を、一気に不快な表情に変えた蒼君。



──蒼君……?




< 155 / 292 >

この作品をシェア

pagetop