それでも君が。
「羽月の、蒼先輩を想う心に、罪はないんだよ。お願いだから、気持ちを押さえつけることだけはしないでね」
その時に気付いた。
澪ちゃんの瞳に、透明な膜が張っていることに。
「ただ、無理はしないで。ちょっとキツいなって思ったら……休めばいいし。全部放り出してしまったら、取り戻すのに時間かかるから……ね?」
何もかも、私のことはお見通しなんだなぁと思ったら、すごく嬉しくなって……
首を縦に振った。
そうなんだ。
もう全てを放り出したって構わないというくらい……本当に苦しかった。
でも、ヤケクソになっちゃ、ダメだ。
急がなくていいんだ。
少しずつ、少しずつまた近付いていけばいい。
あなたが私から離れていこうとするなら、私はまた全速力で追いかけるから……。