それでも君が。
すると、そこに立っていたのは、想像した人じゃなかった。
「澪ちゃん!?」
「あ、羽月おはよっ」
澪ちゃんは私の声に反応して振り向き、パッと笑顔を出した。
私は急いでドアを閉め、彼女に駆け寄る。
「おはよって……どしたの? そりゃ、うちと澪ちゃんちは、方角的には同じだけど……。澪ちゃんち遠いから、バス通学でしょ。わざわざ、うちの近くで降りたの?」
一方的にそう言葉を連ねた私を、澪ちゃんはニコニコとした顔で見てくる。
「昨日部活出たらさぁ、なんか身体固くてさ。たまには歩こうかなってね。ついでだし、羽月と歩きたいと思って」