それでも君が。




両手で顔を覆い隠し、うつむいた。



──やっぱり、どんな顔したらいいのか、分からないの……。





「蒼君……」


「ん?」


「そ、君……!」


「……うん」


「ごめんなさいっ……」


「……謝られたくなんかねぇよ」





カタッ……という音と共に、蒼君が立ち上がる気配がした。



次の瞬間には、ベッドがギシッと鳴り、私は温かい彼の腕に、包まれた。


蒼君は、ベッドに腰掛け、私を包んでくれている。



不謹慎だと分かっているのに。



ここ最近の蒼君からは想像も出来ないくらいの行動で……。



しかも、蒼君の胸が温かくて、腕が力強くて……



これ以上なく安心している自分を見つけた。



フゥッ……と息を吐く。



自分の中にある毒素が、全部抜けていくような感覚。





「……怖かっただろ。この前も。今日も……」





密着してるからか、蒼君の声がダイレクトに響く。




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