それでも君が。
一気にあの日と今日の映像が頭に流れ、知らず知らず、身体が震えた。
それを押さえるかのように、蒼君の腕に力がこもる。
「俺が……もっとちゃんと守ってやれたら良かった」
「ちが……違うよ!」
蒼君から離れ、彼を見上げる。
あまりにも近くて、戸惑った。
だからつい、目を下へと向けた。
「……蒼君が、悪いんじゃない……私……私がっ……」
「羽月……」
「ごめんなさいっ……私のせいで……」
「……だから嫌だったって言っただろ」
「……え?」