それでも君が。
アイツって……藤堂君のこと……?
その蒼君の真剣な瞳を前に、何も言えずにいると、彼はハァッとため息をついた。
本能的に怒られるかと思ったのか、自分の肩がピクリと動く。
でも、蒼君の口から出た言葉は、全く予想外なものだった。
「当たり前だろ」
「……へ?」
「いつだって、今も。抱きたいって思ってる」
「………」
「そしたら、マジでお前の全部が俺のモンになるのにな、とか考えてるよ」
「そ……」
「怖い? そんなことばっか考えてる俺が」
無数の雨が道路を濡らすザーッという音が、私達を包む。