それでも君が。




「お前、顔真っ赤じゃん。熱あるんじゃねーか」


「そ、そんなことな……」


「頬まで真っ赤になってる」





そう言って、私の頬に指を当てる。



触れられた所から、ゾクゾクと痺れが走って、何だか怖くなって……



思わず、その彼の手を払いのけてしまった。



パシッという音が、教室に響く。



その音に目を背けたいという思いからか、私は蒼君の顔を見れず、ただ俯いた。



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