それでも君が。
蒼君は、切ないような怒ってるような、そんな瞳で私を見てくる。
「そ、君……」
「勉強とかしなくていい」
「え……?」
「大体、誰と勉強すんの? あの藤堂とかいう女たらしと?」
「……何で、何でそんな意地悪っ……」
「俺が教えてやるから、余計なことすんな」
「……っ……」
語気が荒くて……また、背筋がゾッとした。
どうしていいのか分からなくて、言葉も出せずにいる私から、蒼君はまた顔を逸らす。