それでも君が。




「帰れ」



そう言って、靴を脱ぎ、部屋に上がっていってしまった。



その後ろ姿は、やっぱり素敵で、すごくすごく逞しくてカッコいいのに。



どうして、こんなに冷たく見えるのかな。



二階に上がっていこうとする蒼君の足音を聞きながら、外に出た。













蒼君と付き合い出してから、1人で声を押し殺して泣いたのは、初めてだった。



段々、現実なんだって、実感してきたの。




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