アルホード王国
「国を″愛する″ことと″護る″ことは違う!俺たちはいざって時に投げ出せる命なんだ!だけど、お前の命は違う。投げ出しちゃいけない」
「命懸けてるさ!」
「賭けんじゃねーよ!!」
そう叫び、レオンの肩を掴む手が力を抜いた。
そして、静かな声で続ける。
「お前が命を落としたら…誰がこの国を守るんだ?」
「……っ」
自分には、母も兄弟を居ない。
レオナルドが命を落としたら、国を守る者が居なくなる。
「俺たちは兵士だ。衛兵だ。武力で国を″護る″。でもお前は…レオナルドは、信頼と信用で国を″守る″んだ」
レオンは「怒鳴って、悪かった」と言い、地面に座った。
「俺たちは拷問に遭おうが、何しようが、絶対口を割らない。例え、死んでも。だけど、お前はそうは行かないだろう?」
レオナルドは唇を噛み締める。
「ふっ。固くなんなよ」
レオンが柔らかく微笑む。
「いざって時は、俺が必ず護ってやるよ」
レオンがポンポンと自分の右の二の腕を叩く。
「ありがとう、レオン」
「あぁ。兵士隊第5番隊隊長を舐めんなよ」
「頼りにしてる」
そう言うと、レオンはニヤッと笑った。