アルホード王国
その頃、国王補佐ザックは国王室に国王補佐護衛隊隊長のアースといた。
「ここは、俺の部屋になる」
椅子を撫でる、ザックの顔に不適な笑みが広がる。
「クリスレオナルド新国王殿は?」
その問いかけにザックはニヤリと笑った。
意味を理解したアースも同じように笑う。
「邪魔者は、消す」
「第5番隊隊長殿はどうされるので?」
「今2つで迷っているんだ。明日までに決める」
「楽しみにしています、陛下」
頭を下げて、アースは部屋を出た。
クリスは毒殺した。
触れるだけで全身に毒が回る猛毒だ。
毒が全身に回れば、一瞬で死ぬ。
ザックは毒の入った小さなビンをポケットから取り出し、愛おしそうに撫でた。
レオンも毒殺しようか…。
暗殺犯に仕立て上げ、処刑しようか…。
毒殺の方が楽か?
…いや、死因に説明がつかない。
…暗殺犯にしよう。
クリスレオナルドは時期、暗殺する。
アルホード王国は、わたしのものだ。
ザックの体になんとも言えぬ高揚感が広がり、喜びに全身を震わせた。