アルホード王国
レオンは自室に戻り、椅子に座った。
この国は…どうなる?
王族と貴族は塀と見張りに囲まれた、城下町に住んでいるからダークナイトに攫われる心配はない。
下町(したまち)に住んでいて、城に物を納める、一般市民と一般市民にもなれない、お金のないこじきたちは毎日連れ去られている。
その事実を王族と貴族は殆ど知らない。
レオンは城下町に住む恋人のリーシャから聞いていたから知っている。
城の図書館出入り禁止…か。
何とも不思議な命令だ。
王族は、何故歴史を知ってはいけないのだろう――
王族に歴史を話した者は、反逆者として処刑される。
変わっている国だ。
変わっているどころか、おかしい。
アリアス王が亡くなってから、ずっと。
こんな腐敗した国を救うのは、10の島が1つになるべきである。
そして、ダークグレイドに立ち向かい、倒す。
これがレオンとレオナルドの夢だ。
コンコン――
「はい?」
「失礼します」
そう言って、入って来たのはリースだ。
話があるから、と呼び出していたのだ。