アルホード王国
隊長が、国を出る?
ずっと慕い、追いかけ続けた隊長が?
『国を出る』ことは『ダークグレイド王国に行く』と同じ意味を持っていた。
どうして?隊長が?
「俺に出来るかなぁ…」
不安に包まれ、呟く。
レオン隊長は若くして隊長に就任した。
隊長は知らないが、隊長の実力は2番隊に匹敵する。
サワード長官が『いきなり2番隊にすると妬みが出るだろうし、もしダークグレイドが知ったら舐められる。だから、5番隊なんだ』と、以前言っていたのを思い出す。
俺に……務まるのか?
いや…務めるんだ。
レオン隊長が任せてくれたんだ。
レオン隊長は決して弱音を吐かなかった。
だから俺も、弱音は決して吐かない。
レオン隊長は俺を信じて隊長を任せてくれた。
隊長が何をするかは知らないが、俺はしっかり5番隊を守ろう。
リースの瞳が決意に燃えた。