アルホード王国
「びっくりしただろ?」
「秘密通路作った人、すげぇ」
秘密通路の出口……
2人が今立っているのは、
“林”だった。
「木の形も似たようなもんだし、こっちから城には入れねぇな」
「重さだけが、違う」
レオンも“出口の木”を押してみた。
少し力を加えると、“出口の木”は簡単に動いた。
突風が来れば、動いてしまいそうだ。
「さぁ、行こう!」
「…あぁ!」
暗闇の中、2人は走り出した。
「ここからどうする?」
2人が今居るのは、下町へ続く門の近く、林の出口だ。
門まで500mくらいある。
そして、門には衛兵。
どうするか、悩んでいたその時――
「探せ!絶対この辺りに居る!」
「匂いがするぜ」
ザック護衛隊の声と足音がした。
慌てて、二人は木の陰に隠れた。
「なんだよ、匂いって…」
小さな声でレオナルドに囁く。
「あいつら獣みたいに鼻いいんだよ」