春夏秋冬の商い



当時、まだ未成年の――


それも、高校に入学したばかりだった


――僕が二十代後半の彼と親しくなったのは、その自由気ままな彼の性格のお陰なのだろう。



自由気ままで少年のようで、世間知らずな彼の。



だか、彼はどんなときでも絶対に、病室では煙草を吸おうとはしなかった。



ときおり、そんな彼にあぁ、大人なのだと感じて、少しの裏切りを感じていた。



さりげなく、間に一線を引くのだ。



どんなに自由気ままで子供のようであっても、社会のルールを守らず自分だけなら、こんな身体で残り時間は少ないんだからと言い訳する子供が主張する自由ではない。



やること、やるべきことはきちんとしている上での゙本当゙の自由なのだ。








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