虹の彼方




『じゃあ俺!! 部活あるから行ってくるわ!!』








そう言って教室から帰ってしまった和くん。



あたしはただただ、…足が震えてその場に崩れるしかなかった。


「和くんが…」

何かの間違えであってほしい。



時間が経っても現実を理解出来ない自分がいる。


いや…理解したくないのかもしれない。


でもこれが現実。

泣いても笑っても、最終的には受け入れないといけないリアル。




残りの時間、あたしは和くんとどう過ごせば良いのだろう…??


あたしは、和くんと一緒にいる最後の時まで、笑っていられるのかな??



「あたしは、和くんと……」


笑っていたい。


一緒にいたい。


どこまでも、繋がっていたい。



心からそう思った。



あたしはたくさん泣いた。

わんわん喚いた。


苦しくて、涙が枯れて、喉が痛くなるまで泣いた。













泣いた。




< 17 / 41 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop