虹の彼方
あたしも和くんの横に座って弁当を食べ始めた。
「うわっ…お前のうまそー」
あたしの弁当を覗きこむ和くん。
いや…知ってるって。
あたしの弁当が美味しそうなんじゃなくて、
「卵焼きが美味しそうなんでしょ??」
「そう!! さすが凛っ!! よく分かってるな!!」
当たり前。
昔から和くんは卵焼きが大好物だ。
サッカーの試合の差し入れも箱いっぱいの卵にしたぐらいだ。
しかもその差し入れも独り占めした。
「しかたない…あげますよ」
「ぬぉ‼ サンキュー」
卵焼きになると、遠慮なんて考えない。
卵焼きを食べる和くんは、どんな顔よりも幸せそうに感じる。
「やっぱうんめぇよ‼ 最強だ‼」
そりゃどーも。
やっぱり和くんの笑顔はこっちまで笑顔になる。
ホントに虹みたい…