虹の彼方


「確かさ…何回か外出許可が出ると思うんだよ。だからその時はもう夏休みだから、部活見に行こうかなって…。」


「じゃあ、あたしも一緒に行くよ。」 


そう言った後、迷惑かなって思ったけど和くんは「マジで⁈」と喜んでくれた。


良かった…。

「それとさ、もしよかったら一緒に夏祭りいかね‽」

えっ、良いの⁈


毎年お互いに友達と一緒に行っていたあたしたち。

「彼氏と約束とかしてたりする‽」

「そんな馬鹿な‼ あたし彼氏いないし‼ 一緒に行こうよ‼」



嬉しいんですけど…‼

心が弾むあたし。

夏休みに一つ楽しみができた。



「浴衣きて来いよ。」

「じゃあ、着てくよ」


いつも以上におしゃれしないとね…。


「楽しみにしてるわ。」


笑顔であたしに言った和くん。

それからずっとこれからのことについて話してくれた。


今週までは、体育の授業も、部活もしっかりと参加するみたい。

ちょっと目まいはしているらしいけれど、薬を飲んで衝動を抑えている。



和くんは…まだ諦めていない。


もっと生きていくって言っていた。


あたしは思った…。


あたしは泣かない。

あたしは和くんを支えないといけない。


和くんの望み通り、あたしは笑って過ごそう。



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