虹の彼方
放課後は、まっすぐに家に帰った。
和くんの家に行くため。
もちろん、和くんは部活だからいない。
和くんのお母さんに話を聞くためだ。
和くんと家は遠いけれど、和くんとは幼馴染だから、結構親しみがある。
帰り道で、和くんの家に近づいた所で、聞いたことのある声が聞こえた。
「あれ‽ 凛ちゃんじゃない。」
後ろから聞こえる声にあたしは振り返る。
「あ、おばさん‼」
あたしを呼ぶ声の主は、あたしが探していた人。
和くんのお母さんだった。
「ひさしぶりねぇ‼ また可愛くなったんじゃないの‽」
「おばさんもずっと綺麗なまんまじゃないですか‼」
やっぱり和くんのお母さんも笑顔で話かけてくれた。
遺伝…なんだろうな。
「今日はどうしたのあの馬鹿息子はまだ部活だよ。」
「いえ…今日はおばさんに用があって…」
あたしがそういうと、えっ‽ あたし‽、と首をかしげる。
でもすぐにあたしを見て悟ったらしい。
「和から聞いたのね。余命のこと。」