虹の彼方
あたしは決めたんだ。
和くんの為に努力しようって…
和くんと一緒に頑張るって決めたんだ。
「だから、和くんと一緒に支えていきます。」
今のあたしは涙なんか流していない。
お母さんは「ありがとう」
って何度もあたしに言った。
泣きながらずっと…
「あたしね、凛ちゃんに、和のお嫁さんになってもらいたいなぁ…」
ほほ笑みながら
和くんのお母さんはそう言ってくれた。
「あたしも出来るならそうなりたいなって思います。」
そんな話を2人で笑いながらしばらく話していた。
時間が経って、そろそろ和くんが部活から帰ってくる頃になった。
「そろそろ、和が帰ってくるけれど…待ってる??」
「あっ、いえ。帰ります。……あたしが和くんの家に来たことは内緒にしてください。」
あたしは玄関まで行くと、和くんのお母さんが「凛ちゃん」とあたしを呼んだ。
お母さんの呼び掛けに振り返る。
「……和をよろしくお願いします。」
深く頭を下げられたあたしもお母さんに深々と礼をする。
「あたしが…和くんを支えます。全力尽くします。」
頭を上げたら、和くんのお母さんは目から涙を流して笑っていた。