虹の彼方
「なぁ凛ー……」
昔からずっと変わらないこの話し方。
「なーんですかー。」
「ノート見せて。」
そして昔から変わらない頼み事。
またですか…。
でも、そんな会話でもあたしは内心嬉しくてたまらない。
……本人には絶対に言えないけどね。
「はい、ノート。」
あたしは普段勉強をしているのは
こうして…和くんにノートを貸してあげたい為かもしれない。
渡したノートを見て和くんは
「ありがとな!!」
また、満面の笑顔であたしを見るんだ。
そんな和くんにあたしは毎日のようにドキドキしてしまう。
本人は知るわけないけどね。
「お。今日も綺麗な字ですなぁ。」
ノートを開いた和くんがあたしに向かっていう
「あたりまえ」
だって、和くんの為に書いてるようなもんなんだから。