虹の彼方
和君はいつもと変わらない笑顔を向けてくれた。
「はい。今日の授業、和くんの為にノートに写したから。」
そう和くんに言って渡すと「すっげぇ!!」
って言ってノートをひらひらと巡った。
和くんは、余命宣告をされても生きるんだと。
諦めていない。
ならばあたしは和くんを支えるのみ。
力になりたい。
「どういたしまして。」
と相変わらずなあたしを表に出す。
あたしは和くんといる時は、笑顔になる。
和くんが退院するまで泣かない。
あたしはこんな事でしか支えることが出来ないけれど、小さな力でもいいからなってあげたい。
大好きだから――