Shadow Soul Hunt


白狼は
左手に拳銃
右手に日本刀を持ち
鞘(さや)を口で引き抜く

現れたのは、紅い刀身
鍔(つば)も柄(つか)も真っ赤な刀だった

薄れる意識の中、俺は
その紅い刀が白狼に似ていると思った
妖艶で不可思議ながらも
美しく凛然たる
圧倒的なる存在感

「さあ、どこからでも、かかってこいや〜!!」
獣染みた笑みが
天井の穴から、木漏れ入る月の光に照らされる

白銀の……狼?

一瞬だったが白狼が
白銀の狼に見えた

ザシュッ!!ザッ!!
ダンッダンッダンッ!!

左から来る蜘蛛を拳銃で撃ち抜き
右から来る蜘蛛を刀で斬り刻む
それは正に手慣れた動きだだった
滑らかで正確な動き
蜘蛛は皆
黒い霧となり消去りゆく

さっきまで何千匹と居た蜘蛛達が
数十匹までに減っていた

す…げぇ…
『キキキ……ギギッ!』

ザッ!!

白狼の後ろを狙って蜘蛛が襲い掛かる



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