Shadow Soul Hunt


「おう、拓浪♪」

白狼の姿を見付けると
即座に白狼の前の席に座り
近くに居た店員に
「オムライスと、大盛サラダ!!それとメガハンバーグを、とにかく早く下さい!! あっ、珈琲も!!」

白狼は、そんな俺の姿に
笑いを堪えることに必死な様だった


注文した品が来ると
それを、口一杯に掻き
「ガツガツモグモグ!!」

ハンバーグとオムライス
それとサラダの味が
全て口の中で混じり合いながらも
噛んでは飲み、噛んでは飲む

白狼は黙り、ただ俺を眺める

アッという間に完食
珈琲をも一気に飲み干す
ゴックン…
喉が良い音を鳴らし
口の中に心地よい苦味が広がる


「フー…ご馳走さま」
やっと落ち着いた
今すごく幸せだ

「落ち着いたか?」
俺の前の席で
チェシャ猫っぽい笑みを浮かべる白狼

腹も気分も落ち着いてみて初めて気付いたが
白狼の服装が、かなり違う。

前は白い着物だったが
今はブラックハットに黒いサングラス
黒の革ジャンの内側には、白シャツに赤いリボンタイ
これまた黒い革パンツ
洋風というか
ロッカーというか
そんな格好をしている

「…その格好は?」
「あー、気にすんな。あの格好だと怪しまれるんだ。 だからこんな感じに現代に馴染んだ格好してんだよ♪」


いや…余計怪しいから
この人…ファッションセンス無いな…



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