Shadow Soul Hunt



「見ろよ、あったぞ♪」

「はい?…!?」


白狼の指差す方向を
目を凝らし見ると
何も無かったはずの空地に
古びた木造の洋館が聳え建っていた

外壁の板は
所々剥がれ落ち
パックリと黒い口を開けているかの様だ

……いかにも陰がいそうだ


「そんじゃ、拓浪」

「はい?」

「これ、使えよ♪」
そう言うと
新しい2丁の拳銃を差し出した

前に渡され使った白狼の拳銃より重い

「オレのより強化されたヤツさ♪  相手は陰だからな……マジで気を引き絞めろよ♪」

そう言うアンタは……笑顔かよ……



俺達が館に近付くと

ギギィィィ……

錆び付いた鉄の扉が
擬音を発しながら
独りでに開く

「誘ってんのか…」

白狼はニヤッと
先程とは違う何処か不気味な笑みを浮かべる

館の中に進み入ると
扉はまた擬音と共に独りでに閉じられた


広いエントランスには
左右両側には2階へと登る曲階段があった

天井には明かりの灯ることの無い
壊れたシャンデリアがぶら下がっている

ホコリとカビ臭さに
咳が込み上げってくる

「ゴホッゴホッ!うわ…汚ねぇ…」

あちらこちらに
蜘蛛の巣が張り巡らされていた

また…あれと戦うのかな?……出来れば避けたい…


「………」


何やらソワソワとしている白狼……





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