Shadow Soul Hunt
「どうかましたか?」
「いや、なんか…いつものヤツに着替えてないから…なんか動きにくくてな……」
いつものってあの
着物の事か?
着替えようにも寝てたからな……
それに着物より
どっちかって言うと洋服の方が
動き易いと思うけどな…
「うまく闘えるか……な…ぁ?」
…頼むからそんな事
言わないで欲しい……
俺達は2階に上がると
ホコリ臭い廊下を進んだ
先は真っ暗で、ほとんど何も見えない
いくつかの部屋を通り過ぎながら
ただ真っ直ぐに進む
「気を付けろよ? 何処から何が出て来る、分からんからな〜ぁ」
気楽だな〜…
「…あ、あれは…」
廊下の先に
木造エレベーターの扉が見えてきた
「丁度いいなっ♪」
白狼が、壁のボタンを押すとガコンッと音がする
…これで楽に進める♪…
……ゾワッ!!
「!?」
なんだ!?この感じは……
……この悪寒は前にも…
《虫の知らせ》とでも言うべきか…
俺の本能が嫌に反応している…
「ま、まさか…」
チ───……ン
「お、キタキタ♪」
白狼は無邪気に言った
…俺はといえば
すぐに逃げられるように………
…ガガ…ガ…
扉がゆっくりと開く
エレベーターの中には…
『ヴヴ…ギィ』
『ギギギ』
『ガギャガギャ!!』
エレベーター内一杯に
ゾンビ形態した闇が
ひしめき合い、蠢(うごめ)いていた