アラサーダサコに恋して

作戦会議

シズラーにて。


「おい、どこの女子大生がこんな深夜にステーキなんか頼むんだよ」


「深夜ってまだ(PM)11時じゃないですか」


「そんなこと聞いてねぇんだよ。しかもこれ見よがしにロブスター付頼みやがって。アルバイターの収入わかってんのか?」


「ケチくさいなー。情報の対価だと思えば安いでしょ。ほらっ」


佐々木はバッグの中から4つ折りになったチラシを取り出すと、それを手裏剣のようにしてこっちに投げてきた。


チラシは俺のおでこに見事命中。


「あいたっ!おまえ、投げるなやぁ。・・・おお、あすなろ整体院」


「なんですか、それ」


「いや、ここに書いてあるから」


「知ってますよ。トシ子さんってファッションセンスだけじゃなくてネーミングセンスもないですね」


「そういうこと言うなよ。商売するにはこういう地味な名前のほうが信頼得られていいんだよ」


「アルバイトしかしたことない人が商売語らないでくださいよ」


「バカ野郎。俺はミュージシャンとしていろいろ自分の売り方を考えてるの」


「はいはい。それでいつ行くか決めたんですか?」


「うん。来週の月曜あたりにしようと思ってる。そこでお願いがあるんだけど」
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