海に行こう

焦り

forth story 焦り
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つまんないHRが終わって。放課後。


あたし達6人は誰も部活に入ってないから、みんなで一緒に帰って、1時間後に待ち合わせした。


その1時間、何度鏡の前に立っただろう。


念入りに洋服を選んで、念入りにメイクして…


でも遅れちゃいけないと思って、待ち合わせより20分も早く家を出てしまった。


「急ぎ過ぎたかな…」


鏡をみてメイクのチェックとかをしてたら、


「…沁織?早くね?」


後ろから声をかけられた。


鏡見てるから、誰だかはすぐにわかった。


だけど…なぜか直視できない自分がいる。


「佑志だって、こんな早く来てんじゃん。気合入れすぎだって。そんなにあたしと遊びたかった?」


後ろを振り返らないまま、ケータイで時間をみるふりして答えた。


「うん」


・・・?


ケータイに、薄くうつる彼の顔。


少し赤く染まってる。


冗談で言っただけなのに…。


バカじゃないの?


なんで今さら、ドキドキさせんのさ。


“嫌い”なのに。




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