海に行こう
「…」
気合入れ過ぎの二人の間に流れる、気まずい沈黙。
♪~~
「あ、メール…菜々子だ」
音のなかった空間に、あたしのケータイの着メロが流れた。
--to沁織---
ごめん、亮太と秘密で落ち合うことになったの
うまくごまかしてくれない??
ごめんね!!そしてふぁいと!!
--from菜々子---
わ…あの二人、上手くいったんだ!!!
おめでとう…。
「な、菜々子来られないって」
「亮太もだって。今メールきた。あやしいな、あの二人」
口角をキュッとあげて、意地悪そうに言う佑志。
「そ、そうだね!!」
また沈黙…。
気まずいよ――乃ノ歌速く来て!!!
いまだ、幼馴染と目を合わせないままのあたし。
どうしよう、やっぱ顔みて話した方がいいかな。
「え、沁織達、早!!気合入れ過ぎだよ―」
「お、佑志クン早いねぇ、何してたのかな?」
いいタイミング(?)で来た二人。
「もう、遅いよー」
泣くように、あたしは乃ノ歌に抱きついた。