海に行こう
「へー」
なんでそんなこと佑志が知ってるの?
早く乃ノ歌達のところ行かないと、おこられちゃうよ?
「へーってお前…何かもっといいリアクションねぇの?」
「え?うーんと…そんなこと知ってるなんてすごいね!佑志!!」
不満そうだったから、精一杯褒めてあげた。
褒めてほしいなんて、まだまだかわいいところあるじゃん。
「そうじゃなくて…あーもう!」
「へ?へ?」
顔真っ赤にして、なんでそんな怒ってんの?
褒めてあげたじゃ――ん!!
「いい?よく聞け」
まっすぐ、あたしを見つめてくる佑志。
「俺は、沁織が好きです」
…ん?
「生まれたときから、恋は訪れてた」
…ん?
「…頭大丈夫?」
驚きより何より、それが自然と口からでてしまった。
そう、ポロっとね。
悪気はない!!!
「お前なめてんの?」
悪気はないのに、眉間にありえないくらいしわをよせて、にらまれた。