海に行こう


ばーん


あたしは無言でドアを閉めた。


「乃ノ歌、高校間違えちゃった、これから行って入学式間に合うかなぁ?」


真顔で親友に問いかけるあたしの横を、あたしと同じ制服をした見知らぬ人がとおって行った。


「・・・」


あほみたいに口を開け、冷や汗が流れているのを感じる。


「…沁織、あれって、佑志・・君?」


乃ノ歌があたしの幼馴染の名を口にした。


あいつとは、中学の卒業式でケンカして以来口を聞いてない。


「大っ嫌い!!!」って捨て台詞を吐いて以来目もあわしていない。


あたしのハッピーな高校ライフ、入学式の前(正確には教室に入る前)に終了。




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