海に行こう

『ですから、新入生のみなさん…』


「はわゎゎ・・」


退屈な入学式。あくびが出てしまった。


はやく終わらないかなぁ…と思っていた矢先、だらだらとしゃべる校長と目があってしまった。


あたしは大慌てで「きをつけ」の体制になる。


そんなあたしをみてか、校長がちょっと微笑んだ気がした。


「ん?」


あの校長、どこかでみたことがある気がする。


てか、会って、しゃべったことがある気がする。


なんでだろう…。


「ちょっと、ねぇ!一之瀬さん!!」


「え」


隣をみると、もうみんな退場を始めていた。


「ご、ごめん…」


またも注意されてしまった…。


そして、またあのへんな校長があたしをみて、微笑んでいた。


< 5 / 32 >

この作品をシェア

pagetop