海に行こう
ドンッッ
乃ノ歌と菜々子と、3人で家に向かっていると、誰かがぶつかってきた。
「いったぁ・・ちょっと、何すんのよ佑志!!」
故意にぶつかってきたであろうその相手は、憎き幼馴染、佑志だった。
「んだよ、道の真ん中でボーっとしてる方がわりぃんだろ」
上から、睨みつけるように、でも口角をキュッとあげてあたしをみてくるその顔に、少し体温が上がる。
佑志は、憎き幼馴染だけで、あたしの大っ嫌いな人。
すごい仲良しだったのに、あの喧嘩をきっかけに犬猿の仲に。
いたずらっ子で口が悪くて、でもいざという時には守ってくれる。
それは子供の時から変わらなくて、でも頑固で。
佑志はもう友達ができたようで、新しい友達2人と一緒に下校していた。
こんなふうに、人懐っこくて友達がすぐにできちゃうような彼なんだ。
「あれ?同じクラスだよね?おれ、黒野雄~!!」
チャラそう…。っていうのが第一印象。
「元気いいなお前…あ、おれ想田亮太、よろしく」
こっちは…さわやか系モテる男子って感じかな。
あぁ、あたしのびゅーてぃふる高校ライフ、どうなっちゃうんだろう・・・。