執事と共にお花見を。
「……いいことを教えてあげるわ春樹」

「いいこと、でございますか」

「私たちの世界では、誰も死なないの」

「と、いいますと?」

「人は、簡単には死なないのよ」


どこまでも通る声。


「それは、私たちが証明している」


はっきりと告げる力強い言葉。


「そうでしょう?」


そして、挑発するような、不適な笑み。

その手は、春樹の手首を握っていた。
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