執事と共にお花見を。
「……なんだか、嫌われていたみたい」


恵理夜はようやく不機嫌でいっぱいという表情を見せた。

同じ年頃の少女に比べて、あまり感情を表立たせない恵理夜にしては、珍しい反応だった。

よっぽど不快だったのだろう。


「……なぜ、あのような突き放した態度を取るのでしょう」

「そういう性格なんでしょう」

「そうでしょうか?」

「……貴方は、あのお爺さんの味方?」


くん、と唐突にブレーキが踏まれる。
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