執事と共にお花見を。
「それで、この写真の何が引っかかったのでしょうか?」


恵理夜は、写真の左下を指差した。

満開に咲く誇る公園が映されたその左下、そこには――


「その、ベレー帽は……」


ベンチにエンジ色のベレー帽を被った人の肩から上が途切れながらもはっきりと移っていた。


「ベンチに、前かがみに座っているところが、偶然入ってしまったようですね」

「ええ、そんな感じね」

「あの老人に、間違いなさそうですね」
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