執事と共にお花見を。
「でも、おかしいわ」


恵理夜は、春樹の入れたお茶をすすりながら言った。


「あの人、ここに越してきたのは最近って言ったのよ」

「最近?」

「ええ、その言葉に嘘は無かった」

「では、10年前のこの日たまたま、ここに座っていたのでしょうか」

「確かに、昔、あの桜を傷つけた、ということも言っていたから……」


けれど恵理夜は、もっと別の引っ掛かりを感じていた。
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