執事と共にお花見を。
老人の座るベンチの手前にシートを広げている集団――恵理夜のクラスメイトのようだ。


「彼女、この間、隣のクラスの男子倒しちゃったらしいわよ」

「あ、アタシもそれ聞いた」

「でも、男子に告られたりしてるんだって」

「美人だもんね」

「けど、みんな断ってるんでしょ」

「そ。あんたの彼氏も玉砕したって」

「嘘、いつ?」

「2週間前、って噂だけど」

「アタシと付き合ってるときじゃん」

「うわ、泥沼ー」

「お高くとまってるつもりなワケ。いつもすましちゃってさ」

「クラスでは、話しやすい子だと思うんだけど。面白いし」

「でも、付き合い悪いから。一回も遊びに来たこと無いでしょ」

「ゴクドーだから、特別と思ってるんだって」
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