執事と共にお花見を。
「……笑っとる場合じゃないだろう。何故、怒らんでいる」


と、老人は突き出すようにハンカチを差し出していた。


「……どうして、貴方が、そんなに怒っているのかしら」


恵理夜は、そのハンカチを受け取りながら問いかけた。


「まるで、私じゃない人に怒ってるみたい」


恵理夜の勘が告げる事実。

しかし、老人は何も答えない。
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