執事と共にお花見を。
「それから、一つ気になる話しがあったわ」
恵理夜は、公園の出口を見やった。
「32年前の春、あそこで交通事故があったそうね。子供が飛び出して亡くなったとか」
「何故、それを知っておる」
「献花がね、あったの」
「それがどうした」
「この界隈でお花屋さんは病院のそばの一軒だけ。私、あそこの店主さんとは仲がいいの。そこで、聞いたの」
老人が沈黙する。
「10年前まで、女の人がお供えしていたそうね。それから、10年前の写真」
恵理夜は、桜祭りのチラシを老人に差し出した。
「これ、貴方よね」
写真のほんの一角に、老人であろう姿が映し出されている。
恵理夜は、公園の出口を見やった。
「32年前の春、あそこで交通事故があったそうね。子供が飛び出して亡くなったとか」
「何故、それを知っておる」
「献花がね、あったの」
「それがどうした」
「この界隈でお花屋さんは病院のそばの一軒だけ。私、あそこの店主さんとは仲がいいの。そこで、聞いたの」
老人が沈黙する。
「10年前まで、女の人がお供えしていたそうね。それから、10年前の写真」
恵理夜は、桜祭りのチラシを老人に差し出した。
「これ、貴方よね」
写真のほんの一角に、老人であろう姿が映し出されている。