執事と共にお花見を。
耳元に、彼の熱い吐息がかかる。

恵理夜の息は絶え絶えで答える余裕もない。


「さあ、」

「やっ、あっ」

「大丈夫、そう。私の肩に捕まって」

「も、これ以上、む、りぃ」


上ずった息遣い。

やっとのことで恵理夜は言葉を紡ぎだす。


「大丈夫ですよ、ほら」

「きゃあ」


春樹に引き寄せられ、恵理夜は彼の膝の上に座らされてしまう。
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