誰についてく?
家に向かって歩き出した悟郎は、混乱している頭の中を整理し始めた。
「杉本が明日からアメリカ留学。
ってことは、明日からあいつはいなくなるんで、もう会うことはない。
ん、そうだよな。
確かに、僕はアメリカには行かないんだからな。
ん?ということは、村上恵理沙はどうなるんだ?
『あたし、悟郎くんも好きだけど、杉本くんの方が、好きだから、悟郎くんとは付き合えない』
とか言ってた、村上はどうなるんだ?
あいつ、杉本に告白したのかな?
いや、そんなことより、杉本のせいでフラれた僕の立場はどこ行くんだ?
こんなことなら杉本がアメリカ行っちゃってから告白すれば良かったな。
…アメリカ行くって、あいつ、英語そんな出来たっけ?
この前のテストは確か、僕が70点で、杉本はぁ…そう!75点。なんで75点ごときで留学なんて出来るんだよ。
何を基準に考えてるんだろうな。
…。
…。
…。
明日から、いないのか」
悟郎は家についてカバンを置くとなんとなく目に付いたアルバムを取り出して広げた。
そこには、今より少しガキンチョの悟郎と杉本、その他大勢が元気いっぱい輝いていた。
「…」