誰についてく?
無邪気に喜ぶ渡辺を気持ち悪いと思いながら、克幸は、車庫から自転車を一台持ってきた。
「お前がこげよ」
克幸は、ハンドルを渡辺に手渡し、渡辺が前、克幸が後に乗った。
「んじゃ、レッツどん!」
の渡辺の掛け声で、二人乗りの自転車はヨロヨロと進み始めた。
二人が乗った自転車はそのうちスピードがついてきた。
「おいっ、あんまり飛ばすなよ。まだ、死にたくないぞっ」
克幸は、多少出すぎたスピードにビビリながら、ヒシッと渡辺にしがみ付いた。
「おい、俺、そっちの気ないから、言っとくけど」
と、渡辺。
「僕だってないよっ!!」
飛ばしていると、細い道で二人の前を4つぐらいの女の子の手を引いて、中学生ぐらいの男が歩いているのに出くわした。
「おい、危ないんじゃないのか?」
と、克幸。
「こういうときは、これ」
と、渡辺はチリチリチリッとベルを鳴らした。
ベルの音で、二人は少し避け、その横を渡辺と克幸を乗せた自転車は、サーっと通り過ぎた。
このまま克幸を追う方は、
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女の子と中学生を追いかける方は
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